京都大学 大学院 医学研究科 リアルワールドデータ研究開発講座

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RWD講座

ご挨拶

東京オリンピックに夢膨らむ2020年は、世界中で猛威を振うCOVID-19感染症一色の年に塗り替えられました。
この新種のSAR2-Co-2ウイルスは、高度に発達した現代医学・社会の脆弱性を浮き彫りにし、これからの社会の在り方を我々に再考させるきっかけとなりました。この様な状況の中、2020年4月に新しい産学共同講座「京都大学大学院医学研究科リアルワールドデータ研究開発講座」は、日本電信電話株式会社(NTT)・キヤノンメディカルシステムズ株式会社・H.U.グループホールディングス株式会社(2020年4月はみらかホールディングス株式会社)のご支援を受けてスタート致しました。

COVID-19感染症で私たちが痛感したのは、感染症の実態把握、すなわち罹患から病院の診療情報等のあらゆる医療に関連するリアルワールドデータの把握の難しさでした。電子カルテが普及したわが国においても、各施設の電子カルテから質の高いデータを収集出来るプラットフォームは未だ存在しません。一方、スマートフォンやウェアラブルデバイスの進歩は目覚ましく、患者個人のIT・健康リテラシーは年々向上しており、患者を中心としたリアルワールドデータプラットフォームの構築が現実化してきております。

1つのデータは雨の1滴の水滴の如く、小さな川から大河に集まり海となり雲となります。水はこの循環の中で美しい自然を形成し、私たちの「いのち」を支えています。同様に1つのデータも最適に収集し循環・活用させることで「いのち」を支える事が出来るようになると考えます。
当講座のVisionは、「がん診療に関わるリアルワールドデータの利活用を推進し、社会に対してより安全で効率的な医療を提供するとともに、わが国の医療産業の活性化に寄与する」であり、1人1人の患者さんはじめ社会全体のために、リアルワールド(現実世界)のデータを利活用出来るサスティナブルな体制を構築する所存です。

京都大学大学院医学研究科 リアルワールドデータ研究開発講座 特定教授 松本 繁巳
松本 繁巳
京都大学大学院医学研究科
リアルワールドデータ研究開発講座
特定教授